美容室に求められる上手いカット、美しいカラーを実現するのに、照明が大事なことは意外と気がつかれていません。

最適な照明を使えば、お店が理想的に演出され、カットやカラーの作業もしやすくなり、お客様の満足度も上げることができるでしょう。

ここでは、照明の「演色性」という専門的な事柄や「照明の色」、設置場所などを説明して、美容室の照明全般について紹介していきます。

美容師の作業には最適な演色性が大事

照明器具が対象を照らしたときに、光源が見え方に及ぼす性質を演色性と言います。
「演色性が高い」と言えば自然光で照らした時の色味に近いことを表します。
そのレベルは演色評価数という指標で数値化され、美容室でヘアカラーのチェックに適しているのは平均演色評価数(Ra)が85以上とされています。

つまり、ヘアカラーを確認するために上部から照らす照明には演色性の高い照明が求められることになります。

なお、美容院以外で正しい演色性の照明が求められる業種としては、人を健康的に見せる整体院やリラクゼーションサロンなどがあげられます。

使うべき照明の色の種類は「昼光色(ちゅうこうしょく)」「電球色」

カラーリングのチェックには色温度が約6500K(ケルビン)と高く、正確な色を確認しやすい「昼光色」の照明が最適です。
カラーのチェックのための照明ですから、「昼光色」の照明は天井など、上部に設置します。

また、お客様の肌を照らす照明は、色温度が約3000Kと低くオレンジ系の光を放つ「電球色」を使います。
「電球色」の照明をお客様の正面や下部に設置すれば肌色を健康的に照らし、温かみもあるのでリラックス効果も望めます。

「昼光色」は上から、「電球色」は正面や下からのイメージで組み合わせれば、理想的な美容室の照明の色になります。

「演色性」と「照明の色」はどの場所でも同じ基準?

ここまではカットスペースを基準に説明してきましたが、異なる照明が必要になるのがシャンプースペースです。
シャンプー時はお客様によりリラックスしていただくのがベストなので、光が直接目に入らない場所に照明を設置して、明るさは控えめの「電球色」を使うと良いでしょう。

以上が美容室の照明の色と演色性についての説明になります。
美を追究する場所だからこそ、美しく照らす照明についてもこだわっていきたいですね。