看板は、人目につくところに設置して初めて効果を発揮します。
スタンド看板(飲食)

だからといってどこにでも設置できるわけではなく、看板設置の際に守らなければいけないルールがあらかじめ決められており、手続きも必要です。
これらを知らずに勝手に看板を設置してしまうと、最悪強制撤去されてしまうことさえあります。

このようなトラブルを避けるためにも、看板を設置する際に事前に知っておかなければいけない法律関連事項、必要な手続き、そしてその他に考慮すべきことに関してご紹介していきます。

■看板の設置には決まりがある

まず押さえておかなければいけないのは、設置できる看板の種類と場所にはルールがあるということです。

具体的なルールは、看板を設置する場所を管轄している自治体によって異なります。
看板の設置は、国が定めた屋外広告物法という法律に基づき、各自治体の屋外広告物条例で規制されているためです。

また、看板を設置する区域によっては、都市計画法や文化財保護法などによって、別の基準が設けられていることもあり、都道府県知事への届け出が必要な場合もあります。

地域によって、看板に関するルールが全く違うということを認識した上で、看板設置に関する基準を正確に把握することが大切です。
ルールを逸脱していたり、手続きが完了できていなかったりする看板に関しては、強制撤去も可能となってしまいますので、事前のルール確認を怠らないようにしましょう。

■看板設置までの流れ

看板設置までの流れは、大きく分けて以下の6段階になります。

1.企画立案と事前相談
2.工作物確認申請、または道路占用許可申請(必要がない場合もある)
3.広告物許可申請
4.許可
5.看板設置
6.完了報告

看板設置はまず、企画立案から始まります。
デザインの見た目だけでなく、どのような種類の看板をどこに設置するかということも含めて、看板の内容を考える必要があります。

また、後述するように、看板を設置する場所や種類によって、このあとに必要な手続きも変わります。ある程度企画がまとまった時点で、作ろうとしている看板に関する規制や手続きの有無を、自治体などに事前に相談・確認することも大切です。

看板の種類によっては、工作物確認申請や、道路占用許可申請が必要な場合があります。どのような場合に必要になるか、代表例を見てみましょう。

まずは看板本体が4mを超えるものを作る場合に、建築基準法に基づき、工作物確認申請が必要になります。また、スタンド看板や商品棚などを店舗前の道路に置く場合は、道路法に基づき、道路占用許可申請が必要です。

これらの申請が必要かどうかも含め、自治体の担当部署などに確認を取りましょう。

次に広告物許可申請を行います。自治体ごとに申請書類の提出期限などが定められている場合が多いので、あらかじめ自治体の担当部署に確認しておくと安心です。
また、工作物確認申請や道路占用許可申請が必要な場合は、広告物許可申請を行う前に申請完了させなければならないので注意しましょう。

晴れてすべての許可が下りたら、看板の設置(工事が必要な場合は工事開始)ができます。そして、看板の設置が完了したら、必ず完了報告も行いましょう。

■自治体以外にも許可が必要な場合も

場合によっては、自治体以外からの許可も必要になるでしょう。

◇テナント大家やビルオーナー

テナントとして店舗を運営している場合、テナントの大家や、そのテナントが入っているビルオーナーに看板設置の許可を得なければならないこともあります。

◇近隣の企業や店舗

近隣の企業や店舗からの許可が必要なことも考えられます。看板の設置場所や種類によっては、営業妨害とみなされてしまう可能性もあるためです。
お互い無駄な争いを避けるためにも、このような許可が必要ではないかをしっかり確認してから、看板を設置しましょう。

■まとめ

看板設置の際には、自治体ごとに定められている条例を守る必要があり、定められた各種許可申請なども行わなければなりません。

看板の種類や設置場所によって必要な手続きは異なるので、看板を企画する段階から行政の担当部署などに相談し、どのような手続きが必要か確認することが大切です。
また、自治体以外にも、ビルオーナーや近隣の企業などの許可が必要になる場合もあります。これらの確認も怠らず、トラブルのない看板運用を心がけましょう。