理髪店の前には多くの場合、赤と青と白の縞模様の看板が置いてあります。
これを一般的に「サインポール」と呼びます。
何故あの看板は理髪店の看板として使われているのでしょうか。

サインポールの由来や仕組みについて紹介します。

全世界共通の看板「サインポール」

理髪店の前に置いてある縞模様の看板は、サインポールと呼ばれています。
ひねった形が砂糖菓子の有平糖に似ていることから「有平棒」と呼ばれることもあります。

英語圏の国ではバーバーズポール(barber’s pole)と呼ばれます。
サインポールは理髪店であることを示す、世界共通のマークです。

配色に関しては大抵の国で赤・青・白の3色ですが、イギリスでは赤と白の2色である等、一部の国では例外もあります。

最有力は「瀉血」説

サインポールが理髪店の看板となった由来は、明文化された記録がないため諸説あります。
もっとも有力なものが「瀉血(しゃけつ)」という治療方法が由来といわれるものです。

12世紀頃の理髪師は外科医を兼ねており、患部を切開して悪い血を抜き取る瀉血治療を行っていました。
治療の際に患者に握らせていた赤い棒と白い包帯が「赤」と「白」、18世紀頃に理髪師と外科医が区別されたことで「青」が加わったというものです。
なお、比較的よく耳にする「動脈の赤」「静脈の青」「骨の白」という説は、全国理容生活衛生同業組合連合会は支持していません。

サインポールの仕組み

小さい頃に、延々と上に吸い込まれていくように見えるサインポールを、時間が経つのも忘れて見続けた方もいるのではないでしょうか。
スタンダードなタイプのサインポールは、蛍光灯で明るくしたポールをモーターが回すことで、よく知られた動作になっています。
ほとんどのサインポールが右上がりの「Z巻き」になっているため、延々と上っていくように見えるのです。

なお美容院では、同じ髪を切るお店として理髪店と区別するために、異なった配色のサインポールを設置するところもあります。

 

サインポールについて知っていただけたでしょうか。
世界中でサインポール=理髪店だと認識できる、絶大な認知力を持っている看板はそう多くありません。
いわゆる今時の「ヘアサロン」では、設置されているところもあまり見なくなりましたが、
レトロな魅力と、その見た目だけで理髪店と分かる存在感はお客様に強烈な印象を残すことでしょう。お店に出すことが難しければ、ショップカードやDMのイラストに盛り込むなどすることで、そのインパクトを少し借りるのも良いかもしれませんね。