お店の紹介のためやイベント告知などを目的に設置される看板や立て看板、貼り紙、広告塔などの屋外広告物に対しては、色々な決まり事が設定される場合があります。
その決まり事の中には、規定のサイズ以上の屋外広告物について、屋外広告物有資格者という資格者を設置(選任)しなければいけない、という規定があります。

屋外広告物有資格者は屋外広告物管理者や屋外広告物有資格管理者などとも呼ばれ、大きな屋外広告を出す上では必要不可欠な職種となります。

特定の屋外広告物には屋外広告物管理者の設置が義務付けられる

屋外広告物については、都道府県や市などが、自治体ごとに条例を定めています。

例えば、東京都都市整備局では、「高さが4mを超えるか表示面積が10㎡を超える広告塔・広告板、もしくはアーチ・装飾街路灯」を設置する際、そして札幌市では「表示面積の合計が10㎡を超える広告物」を設置する場合、屋外広告物管理者(屋外広告物有資格者)を設置しなければいけません。

東京都都市整備局が定める屋外広告物管理者は特定の資格を取得済みである有資格者のことを指し、「建築士」「電気工事士」「ネオン工事に係る特殊電気工事資格者認定証の交付を受けている方」「電気事業法に規定する第1種・第2種・第3種の電気主任技術者免状の交付を受けている方」「屋外広告士」となっています。

一方、札幌市では、「国土交通大臣の登録を受けた法人(登録試験機関)が広告物等の表示及び設置に関し必要な知識について行う試験に合格した者※屋外広告士など」「札幌市、北海道又は北海道内に存する中核市(旭川市、函館市)が行う屋外広告物講習会の課程を修了した者で、かつ、次のいずれかに該当する者」「1・2級建築士」「ネオン工事に係る特種電気工事資格者」「第1種から第3種までの電気主任技術者免状の取得者」「職業能力開発促進法に基づく技能検定のうち、広告美術仕上げの1級に合格した者」としています。

対象となる広告物の規定、そして屋外広告物管理者として認められる資格の種類について、東京都都市整備局、札幌市で共通している部分もあれば、違う部分もあることがわかると思います。

大きな看板を設置する際には、まずは設置場所の自治体の条例がどのように定めているのかを調べる必要があるのです。

屋外広告物管理者の役割

ここでは、屋外広告物を管理する責任者である屋外広告物管理者の仕事について、大まかな流れを紹介します。

まず、特定の屋外広告物に対して屋外広告物管理者が決まったら、屋外広告物管理者設置届を提出します。
そして、管理者は屋外広告物について、設置の許可申請を行います。

許可が下りた屋外広告物については、規定の期限が終了後には継続の申請が必要ですし、形状やサイズを変更する場合には変更許可申請、撤去する際には除去届の提出が求められます。

屋外広告物管理者は屋外広告物の点検も行う

申請などのデスクワークとして行う書類手続きだけではなく、屋外広告物の点検も屋外広告物管理者の仕事です。

定められた屋外広告物は、そのサイズの大きさなどから、看板が倒れたり、風で飛んでいった場合などは、公衆に対して被害を与える恐れがあります。
そのため、安全管理として、看板に腐食などのダメージが生じていないか、剥がれなどの経年劣化・耐候性の低下が見られないかを点検し、安全点検報告書を作成して点検を行ったことを明確にする必要があるのです。

以上が屋外広告物有資格者の責任と役割についてです。
大きいサイズの看板などを設置する際には必要となる資格、手続きとなるので、設置の前に当該自治体の条例をチェックして必要な事柄を確認しておいて下さい。