街中の至るところにあるピクトグラムは全部同じように見えますが、実は同じトイレのピクトグラムでも、JIS規格とISO規格では形や表現に違いがあります。

では、ピクトグラムのJIS規格とISO規格にはどのような違いがあるのでしょうか?
また、JIS規格とISO規格以外にも、ピクトグラムの規格は存在するのでしょうか?

JIS規格のピクトグラムとその代表格とは

そもそもJIS規格とは別名を「日本工業規格」と言い、日本の工業標準化の促進を目的とするための規格を指します。

JIS規格に定められているピクトグラムは「日本国内で理解、使用されるピクトグラム」とされ、多くの日本人がひと目見て何を表現しているのかわかるように作られています。
JIS規格のピクトグラムは全部で110種類ほどあり、主に道路標識や公共施設などで目にする機会があります。

そんなJIS規格の代表格と言えば「非常口」のピクトグラムです。
もともと日本で生まれた非常口のピクトグラムは、ひと目見て「非常口」とわかりやすいので、国際規格であるISO規格にも定められています。
またデザインのバランスも素晴らしいとされ「ピクトグラムのお手本」とまで言われています。

ISO規格のピクトグラムとその代表格とは

ISO規格とは別名「国際標準化機構」と呼ばれ、世界135か国あまりの国が加盟している非政府間国際機関です。
ISO規格に定められたピクトグラムは、日本はもとより世界中で通用するピクトグラムとされています。

その中に、先ほど紹介したJIS規格の「非常口」のピクトグラムも含まれています。
外国人観光客が増えると同時に、JIS規格のピクトグラムでは通用しないシーンも多々報告されるため、ISO規格のピクトグラムを導入している自治体もあります。

ISO規格のピクトグラムは、JIS規格と比べてシャープなデザインであることが特徴です。
ピクトグラム大国日本ではまだまだJIS規格のピクトグラムが目立つため、ISO規格と気づかれないケースもあります。

JIS規格・ISO規格以外の規格はあるのか?

ピクトグラムにはJIS規格、ISO規格の他にAIGA(アイガ)タイプが存在します。
AIGAタイプはAmerican Institute of Graphic Artsの略でアメリカの団体が作ったピクトグラムです。

ピクトグラムのデザインを統一化することにより、情報格差をなくそうという考えの基でピクトグラムがデザインされています。
主にアメリカの公共施設などで使用されており、JIS規格やISO規格よりも丸みを帯びたフォルムが特徴となっています。

JIS規格と類似する点は多いのですが、よく見ると手先まで丸いのがAIGAタイプ、手先が四角になっているのがJIS規格と見分ける事ができます。

このように主に3つの種類に分けられるピクトグラムたち。
街中で見かけたらどのタイプか探してみるのも楽しいかもしれません。